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ギリシャ救済の愚 欧州危機は通貨危機にあらず - FX自動売買

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 ユーロ圏の混乱が続いている。

 ギリシャがユーロ圏に留まれない、イタリアが離脱するなどの噂が飛び交っている。

 しかし、この危機は通貨危機なのだろうか。通貨危機は、これまで何度も起きている。割高な通貨を維持しようとした国が、投機家の攻撃を受け、力及ばず屈服するというのが通貨危機である。

 新しいところでは1997年のアジア通貨危機がある。92年のポンド危機も有名である。このとき、現在は哲学者、慈善家を自認する世界的投機家ジョージ・ソロス氏がポンドを売り浴びせ、安くなったところで買い戻して10〜20億ドルの利益を得たと言われている。

■通貨危機なら後に好況をもたらす

 なぜ通貨危機が起きるのだろうか。伝統的な危機であれば、そのメカニズムは単純だ。通貨を割高に固定すれば競争力が落ちて輸出が減少し、輸入が増え、経常収支は赤字になる。輸出競争力を高めるためには、賃金を下げて輸出物価を下げるしかないが、そんなことをするのは難しい。

 この状況では、その国は通貨を下げて輸出競争力を回復するしかないと容易に想像がつく。投機筋は、割高通貨国の通貨を大量に売り浴びせる。割高通貨国は為替レートを維持しようとするが、それは自国の外貨準備を減らして自国通貨を買い支えることだ。無限に外貨準備がある訳ではないから、いずれ外貨は尽きてしまう。そうなると、通貨は下がるしかない。投機家は、これまでに得た外貨で元の通貨を買えば大儲けという訳だ。

 しかし、通貨が下がったからと言って、通貨下落国が困るわけではない。通貨の下落によって輸出競争力が増し、経常収支の赤字は縮小する。輸出の拡大によって景気が回復する。実際、イギリスでは92年のポンド下落以後、2007年まで、すなわち、08年のリーマンショックが起きるまで実質経済成長率はプラスが続いた。通貨が下落しなければ、こんな好況は続かなかっただろう。この長期好況でイギリス人が得た利益は、ソロス氏の得た利益よりもずっと大きい。

 ただし、もちろん、困る人もいる。外貨建てで借金をしていた人だ。ポンドが半分になったら、ドル建ての債務はポンドでは倍になる。政府が貴重な外貨を減らしながら、自国通貨を買い支えるのは、こういう人を救うためである。

 政府に、勝手に外貨建てで借金をした人を救う義務はないのだが、政府とのコネクションでこういうことが起きるのだろう。

 90年代の初めまで、どの国も外貨建ての借金を大量にすることはなかった。それが危険であると誰もが知っていたからだ。ところが、90年代中ごろ以降、誰もが盛大に外貨建てで借金をするようになった。97〜98年のアジア通貨危機では、韓国をはじめ、アジア新興国が軒並み外貨準備を失い、危機に陥り、通貨が暴落した。ドル建てで借金をしていた企業は、自国通貨建ての債務が膨らみ、破綻した。韓国では、わずかにサムスン電子や現代自動車などの輸出企業が生き残った。

 しかし、通貨が下落したからと言って、その国が全体として困るわけではない。現に、ウォン安の恩恵を得て、韓国企業は日本との競争力を増している。困ったのは、外貨建ての借金をしすぎていた企業だけである。韓国も、97年には、このような企業を救おうとしたのだができなかった。しかし、これが、韓国にとって幸いだったのである。政府とのコネクションではなく、世界の市場に打って出ることが利益を得る唯一の手段だと、韓国企業は覚悟を決めた。これが、日本との競争に勝ち続ける理由となった。

 ユーロの話に戻ろう。ユーロが暴落する可能性がある訳ではない。ユーロは下落しているが、それはむしろ、ドイツの製造業にとって心地よく、日本の製造業にとって不都合というレベルだ。危機はギリシャやポルトガルやスペインやイタリアが、国債を償還できないのではないかという問題だ。なぜ、返せないかといえば、借りすぎたからだ。ユーロ以前では、そもそも借りることができなかった。

 00年末まで、ギリシャの通貨はドラクマで、なんども通貨を切り下げてきた。そんな国の通貨建てでお金を貸してくれる外国の銀行はない。外貨建てで借りれば、ドラクマが切り下がったときに酷い目に遭うから、借りるギリシャ人はいなかった。

 ところが、01年1月1日からギリシャの通貨はユーロになった。通貨がユーロになったからと言って、借りているのはギリシャ政府で、ユーロ政府ではない。そもそもユーロ政府なんてものは存在しないのだから、ギリシャ政府が返すしかない。
ギリシャはデフォルトしかない

 帝国主義の時代なら、軍艦を送って、「カネを返せ、パルテノン神殿をかたに取り上げろ」となるのだろうが、現在では、そんなことは不可能なのだから、貸したほうが泣き寝入りするしかない。泣き寝入りするしかないと分かっていたから、貸さなかったのだ。あるいは、数年後に泣き寝入りしても大丈夫なだけの十分な金利を取らなければ貸さなかった。

 もちろん、ギリシャの通貨がドラクマで、ドラクマ建ての借金ならギリシャはドラクマ札を刷って返すことはできる。そんなことをすればインフレになるだろうが、返すには返している。しかし、ユーロ建てなら、いくらドラクマを刷っても返せない。ドラクマを刷れば、ドラクマが下落してユーロ建ての借金が増えるだけだ。

 つまり、ギリシャがユーロから離脱したところで、何の解決にもならない。これを通貨危機というのはおかしい。

 ユーロ政府などないと誰でもが知っているのに、金融政策は統合したが、財政政策が統合されていないから問題だと議論している人は、自分の誤解を現実にしようとしているだけだ。ギリシャに貸した金を泣き寝入りせずに返してもらいたいのである。しかし、自分の勝手な誤解のツケを、他の欧州の納税者に押し付けるのは虫の良い話だ。

 もちろん、ギリシャや他の国々が債務不履行になれば、その国に貸しているドイツやフランスの銀行は困る。しかし、ユーロ政府などないのにギリシャにお金を貸した判断が誤っていただけだ。それでドイツやフランス経済に大混乱を起こすのなら、両国政府が自国の銀行を救えば良い。そうすれば他国の納税者に迷惑がかからない。

 ギリシャを救って、結果的に独仏の銀行を救おうとすれば、無駄にギリシャにお金が流れる。必要なところに、ピンポイントでお金を流すのが一番効率的に決まっている。


(この記事は経済総合(WEDGE)から引用させて頂きました)


ギリシャデフォルト懸念再燃明日議会!

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